日本政府の「構造的愚鈍」が支配の正当性を腐敗に変えた理由 ― 自立なき支配は搾取でしかない ―

支配とは意義が守られる限りは「悪」ではない。問題は“条件を満たしていない支配”

政治や行政における“支配”とは、必ずしも悪ではありません。むしろ社会秩序の維持、政策の実行、国民の生活安定のためには、ある程度の統治力が不可欠です。しかし、そこには2つの明確な条件が必要です。

正当な支配の条件	説明
① 自立的経済基盤	内需主導型の経済、自国資源の活用、外圧に左右されない産業構造
② 合意と成果の可視性	支配構造が国民の幸福・安全・成果に直結し、信頼が可視化されていること

この2つが揃ってはじめて、「支配」は“統治”や“保護”として正当性を持ちます。
しかし、現在の日本政府はこの条件を共に崩壊させているのです。

現在の日本社会には、次のような深刻な構造的矛盾が存在します。

項目	実態
内需・産業	エネルギー・食料・技術の多くが輸入依存。国内一次産業は崩壊寸前。
国民の暮らし	実質賃金の低下、非正規雇用の蔓延、家計の可処分所得は縮小。
支配構造	官僚・既得権・補助金頼みの“ゾンビ制度”が温存されている。

つまり今、日本では「自立を破壊しながら」「支配を固定化する」という、最悪の二重構造が進行しています。これは意義無き支配であって搾取そのものであり、国家としての正当性を大きく逸脱しています。

支配の力学は本来、国民の幸福を守るための柔軟な“道具”であるべきです。ところが現代日本では、支配が「制度」や「前例」によって固定化され、“自己目的化”しています。

この構造は、明らかに“統治”ではなく、“寄生”であり“腐敗”です。

“支配”が意義を持つには、まず国家が自己完結的な経済・産業構造＝自立性を持っていることが大前提です。これを失った日本が、今なお支配構造だけを強化し続けることには、以下のような重大な危険があります。

このままの構造が続けば、日本は最終的に：

✅ 外圧（グローバル資本・外交圧力）による再編成
✅ 移民・外資による国家内部の乗っ取り

という2つのどちらかに行き着く可能性が高まっています。

一部の政治家・官僚たちは、“支配とは制度を維持すること”だと誤認しています。しかし本来、支配の正当性とは常に国民の幸福・安全・未来への希望とセットでなければならない。

それを理解せず、「制度のための制度」「予算のための予算」を続ける姿勢こそが、今の日本の最大の病理なのです。

今の日本に必要なのは「支配の強化」ではなく、「自立の再構築」です。
支配の構造を正当化するには、まず国民の生活基盤、産業、食料、エネルギー、テクノロジーの内製化を進めること。つまり支配を下支えする“国家の足腰”を再建することが急務です。

国の支配の力学は、国家が「食える」「働ける」「育てられる」構造を持っていて初めて意味を持つ。
それを忘れたとき、“支配”は一気に“腐敗”へと転落するのです。