【業界の嘘?】「相場だから高くない」という言い訳が建設業界の闇を隠す理由
■ 「相場だから高くない」は本当に正当化になるのか?
建設業界や公共事業の費用に対して疑問の声が上がると、よく聞く反論がこれです。
「これは相場です。高くなんかないですよ」
一見、もっともらしい反論。しかし、この言葉の裏には、業界内部の「常識」にすり替えて、構造的な問題を見えなくするカラクリが潜んでいます。
■ 前提:なぜ建設業界のコストが問題視されるのか?
日本の建設業界は、多重下請け構造と中抜きの横行が長年にわたって放置されてきました。
- 元請け → 一次下請け → 二次 → 三次…と続く多層構造
- 各層で中間マージンが発生し、実働する作業員にはわずかな報酬
- 予算は増えるのに、現場の質と安全性は圧迫される
この構造を温存したまま「これが相場だから」と言われても、それが*本当に妥当なのか?*と問わざるを得ません。
■ 「相場」を口にする人の正体とは?
「相場だから」「業界の常識だから」と主張する人たちの中には、既得権益を守りたい立場の人間が含まれている可能性があります。
● 例えばこんな人たち:
- 元請け・上層下請け企業の経営者や管理職
- 官庁から建設業界に天下った元官僚
- 請負契約に携わる中間業者
彼らは多くの場合、中間マージンや調整費用として収入を得ており、*構造そのものが「利益の源泉」*となっているのです。
構造改革が進めば、それらのポジションや収入が脅かされるため、「現状維持」を守るロジックとして“相場論”が使われるのです。
■ 「相場=正当性」ではない理由
- 相場が“業界全体で不健全な構造を前提に形成されたもの”であれば、それは異常が常識になっただけ。
- 他と比べて高くないと言っても、業界全体が不透明なら比較の意味は薄い。
- 「現場に金が落ちていない」「末端が疲弊している」──これが続いている以上、相場そのものが歪んでいる可能性が高いのです。
■ 心理トリックとしての「相場論」
「相場だから」と言われると、多くの人が思考を止めてしまいます。これは心理学でいう「思考停止誘導」の一種です。
- 権威(業界のプロ)による言説と受け取らせる
- 自分が知らない世界=相手が正しい、という錯覚効果
- 「素人が口を出すな」という沈黙圧力
こうして、業界外の人間が批判や疑問を口にしづらくなる構造ができあがっているのです。
■ それでも「疑問を持つこと」が構造改革の第一歩
声を上げるべきは、業界の外にいる私たち市民・納税者です。
- 公共事業にかかる税金は、私たちの負担であり監視対象
- 「現場の人間が報われない構造」は、放置すべきではない
- 「相場」の正当性に疑問を持つことは、改革の火種になります
■ まとめ:「相場論」で思考を止めるな。見えない中抜きを見抜け
「相場だから高くない」は、もはや免罪符ではありません。
それが誰にとっての相場なのか?
その価格の裏に、いくつの中抜きが潜んでいるのか?
そして、誰が責任を取らずに儲けているのか?
こうした問いかけを持つことこそ、構造改革の第一歩なのです。
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