【警察の機能不全】現場の崩壊を招く「権限不足」と「官僚主義」の構造的問題とは?
✅この記事でわかること
- 警察組織が本来シフト制・チーム制で機能すべき理由
- それが現場でうまく機能していない実態
- 根本原因となる「権限不足」と「官僚主義」
- 組織改善のために必要な視点と改革案
🕵️♂️警察はなぜ「シフト制・チーム制」でなければならないのか?
警察業務は、24時間365日、昼夜を問わず治安を守る責務を持つ特殊な職種です。
そのため、シフト制(交代勤務)とチーム制(分業・連携体制)は絶対に欠かせません。
【本来の体制と目的】
- シフト制: 事件・事故への即応体制を維持し、長時間労働による判断ミスを防ぐ
- チーム制: 複雑化する犯罪への多角的対応、責任の分散と心理的安全性の確保
理論上は非常に合理的で、人員管理・健康管理・組織運用のどれをとっても理想的です。
しかし――現実は、その理想とは大きくかけ離れています。
⚠️現場の実態:制度はあるが「形骸化」している
❌1. シフト制の崩壊
- 緊急対応や事件対応で当直明けに帰れない
- 書類処理、出頭者対応、内部会議などで事実上のサービス残業化
- 休日の自宅呼び出しや代休未取得も常態化
❌2. チーム制の不全
- 事件担当が属人的で、担当者がいなければ捜査が止まる
- 情報共有は不十分で、縦割り構造により連携不足
- チームよりも責任追及と個人プレーが優先されやすい
🔍機能不全の核心:「権限不足」と「官僚主義」の罠
🛑【問題①】現場の「権限不足」
- 警察官一人ひとりに判断の自由がない
- 捜査開始、予算使用、メディア対応など、あらゆる行動が上の承認必須
- 現場独自の裁量は封じられており、創意工夫の余地がない
📌結果: 「現場で即応する」という警察の本質が機能不全に。
🏢【問題②】官僚主義による「形式的手順化」
- 判断よりも手順を守ることが評価される
- ミスを恐れて、“報告・確認・承認”という手続きが肥大化
- 内部の報告資料、監査書類、マニュアル準拠行動などが増え、本質的な行動が鈍る
📌結果: 責任回避と形式遵守が優先され、住民への対応や即応力が劣化。
🧠心理的影響:現場の士気と信頼が崩れていく
👮♂️現役・元警察官の声から見える現実:
- 「臨機応変に対応しようとすると怒られる」
- 「失敗は個人の責任、成功は組織の手柄」
- 「自分の判断よりも上司の顔色をうかがうのが先」
このような状況では、現場の警察官は常にストレスと不信感にさらされ、
判断力・行動力のある人ほど早期離職やメンタル不調に陥る傾向があります。
🛠️改善に向けた構造的提案
✅現場判断への信頼と裁量の回復
- 一定の判断基準を設定し、現場で動ける余地を増やす
- 成果ではなく判断の質と姿勢を評価する文化を形成
✅官僚主義の見直しと業務効率化
- 書類仕事・報告業務のデジタル化・省力化
- 目的と成果に直結しないルール・報告義務の棚卸しと簡素化
✅チーム制を本質的に再構築
- 属人化を排除し、タスクベースのチーム分業
- 成果共有・責任分担の仕組み化により、心理的安全性の向上
🎯まとめ:警察は今、「組織としての再定義」が求められている
警察の機能は、本来「市民の命と安全を守ること」が最優先です。
しかし、現状のように形式と統制に支配された組織構造では、
その本来の役割を果たすことすら危うくなっています。
今必要なのは、警察官の士気や能力を信じ、
現場を中心に据えた組織運営への根本的なシフトです。
🔗参考・出典
- 警察庁『勤務制度に関する調査資料』
- 全国地方警察官労働組合 公開資料
- 「元警察官が語る現場のリアル」インタビュー記事(週刊現代 他)
- 組織心理学「心理的安全性」に関する研究(Google Project Aristotle)
- 厚労省・自殺統計から見る公務員過労死・精神疾患の傾向
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