日本がエネルギーも食料も「自給できない国」になった本当の理由|その背後にある官僚機構の構造とは?
はじめに:あなたの生活は「見えない危機」に晒されている
私たちが毎日当たり前のように受け取る「電気」「食べ物」。
しかし、この“当たり前”が、国家レベルで極めて危ういバランスの上に成り立っていることをご存知でしょうか?
- 日本のエネルギー自給率:わずか12.6%
- 日本のカロリーベースの食料自給率:38%(先進国で最低水準)
この驚くべき数字の背後には、単なるグローバル経済の影響ではなく、日本の官僚機構が進めてきた政策の「構造的欠陥」があります。
結論から言おう:「国の自立性」は意図的に犠牲にされてきた
日本は意図的に「輸入依存の国家」に作り変えられてきました。
その理由は以下の3点に集約されます。
- 予算と制度を支配する官僚組織が「支配構造の維持」を優先した
- 政治家が自ら意思決定せず、官僚に政策を委ねた
- 国民が「見えない構造」に無関心であった
この三位一体の構造が、国家の“命綱”であるエネルギーと食料を他国に依存させたのです。
第一章:エネルギー政策 ― 誰のための「原発推進」だったのか?
官僚機構の核心:経済産業省の原子力利権
エネルギー政策を担ってきた経産省(旧通産省)は、原子力発電を「国家の基幹エネルギー」として強力に推進してきました。
- 原発に関わる予算と天下り先を確保するため
- 「安全神話」の構築と情報操作
- 再エネ潰しの制度設計(固定価格買取制度の歪曲運用)
結果:再生可能エネルギーの普及が遅れ、エネルギー自給率が世界最低に
再エネを妨害し、国内天然資源開発も進まず、原発停止後の代替は輸入依存。
その影響で、日本は「国家の生殺与奪」を中東・ロシア・中国に委ねる構図となりました。
第二章:食料政策 ― 「農業保護」がなぜ自給率を下げたのか?
農政官僚と農協(JA)の共犯関係
農林水産省と農協は、長年にわたり「票と補助金」の互恵関係を維持してきました。
- 米への過剰補助により多様な作物が育たない構造
- 労働力減少に対応しない農政
- 大規模化・企業参入の阻害
結果:若者が農業に魅力を感じず、担い手不足が加速
高度成長期以降の「農業軽視」は、今や国の安全保障リスクに直結しています。
第三章:縦割り行政と予算闘争が生んだ「国家戦略の不在」
「予算要求」が目的化した霞が関
本来は国家の未来をデザインすべき官僚が、
「予算をいかに獲得するか」を目的に動くようになると、政策は本末転倒になります。
- 予算ありきの政策設計
- 成果評価ではなく「執行率」が重視される構造
- 長期戦略より「今の制度の延命」
これは、政策の“実”よりも“形式”を重視する官僚文化の末路です。
第四章:なぜ政治家は機能しなかったのか?
日本の政治は、官僚主導体制を覆すどころか、依存しきってきました。
- 選挙目当てのバラマキ(地方票重視)
- 政策立案力を放棄し、官僚任せ
- 政治的コストを恐れ、改革を回避
本来「チェックすべき側」が「管理される側」に成り下がったのです。
第五章:国民の無関心が招いた「構造の温存」
この国の最大の問題は、構造的欠陥があっても「誰も責任を取らない」ことです。
その無責任を許してきたのは、「情報を知ろうとしなかった」国民でもあります。
- エネルギー・食料問題は“遠い話”と捉えられている
- メディアは本質を報じない
- 教育現場では「構造の読み解き方」を教えない
結論:日本の「危機の本質」は制度の設計にある
日本がエネルギーも食料も自給できないのは「運」や「時代のせい」ではありません。
それは、制度設計を任された官僚と、それを放置した政治、
そして見て見ぬふりをしてきた国民が作り上げた構造的結果です。
今、私たちにできること
- 政治と官僚の「実態」に目を向ける
- 地方自治やエネルギー・農業政策に声を上げる
- メディアや教育に対して「構造報道」を求める
「自給できる国家」は、単なる理想論ではなく、
日本という国が生き残るための最低条件です。
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